念願のAWS HEROになれました

AWS HEROになれました。

AWS DevTools Hero


目次

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AWS HEROとは

AWS HERO (AWS HEROESプログラム) とはざっくりいうと、AWSコミュニティに大きな影響を与えた人を称えるグローバルなプログラムです。

AWS ヒーロープログラムは、熱心なナレッジ共有によってコミュニティに大きな影響を与えている世界中の精力的な AWS エキスパートの皆さんを表彰します。ヒーローは、ソーシャルメディア、ブログ投稿、オープンソースプロジェクト、動画、フォーラムを介してオンラインで、または会議、ワークショップ、ユーザーグループイベントで直接会うなど、さまざまな方法で知識を共有します。

AWS ヒーローの専門分野となるカテゴリには、 コミュニティヒーロー、 コンテナヒーロー、 データヒーロー、 DevTools ヒーロー、 機械学習ヒーロー、 セキュリティヒーロー、 および サーバーレスヒーローがあります。 下記のプロフィールをクリックしてお近くのヒーローとつながったり、 以前のヒーロー 一覧を見ることができます。

aws.amazon.com


何それすごいの?

2014年からスタートしたこのAWS HERO (AWS HEROES)プログラムはグローバルな制度で世界中から選出されますが、開始から11年目の2024年3月現在、今回私が日本で18人目の選出になるそうです。(少ない!)

さらにAWS HEROには上記の通りいくつかのカテゴリ別で選出され、自分はAWS DevTools Heroという枠で日本で2人目の選出となりました。

AWS DevTools Heroは、主に開発者ツールなどのOSS活動、またその分野などの登壇・情報発信などが評価される、おおまかにいうとプログラミング寄りの分野かなと思います。

AWS DevTools ヒーローは、AWS でのデベロッパーエクスペリエンスとそのエクスペリエンスを可能にするツールの熱心な支持者のコミュニティです。DevTools ヒーローは、オープンソースに対する貢献、ブログ、スピーキング、コミュニティの組織化、およびソーシャルメディアを通じた知識の共有とコミュニティの構築に優れています。DevTools Heroes は、フィードバック、コンテンツ、貢献を通じて、AWSデベロッパーエクスペリエンスを形成し、選択したプログラミング言語AWS 上でのエンドツーエンドのデベロッパーエクスペリエンスを進化させるのを支援します。


AWS HEROには、四半期に一度の推薦・選考があります。

同じくAWSコミュニティでの表彰プログラムであるAWS Community Builders自薦で応募する一方、AWS HEROはAWS社員からの推薦のみとなっていて、非常に敷居が高い制度だと認識しています。

AWS Community Buildersに関しては以下をご覧ください。

go-to-k.hatenablog.com


AWS HERO選出のための選定軸(というか選定のための評価カテゴリのようなもの)は設けられてはいるのですが、「これをすればなれる」といった具体的な基準・TODOのようなものはありません。

AWS社員から推薦していただいた後、複数のチーム・ステップによって審査が行われ、都度、過去に選出されたグローバルなAWS HEROの方々や候補者との比較によって審査・評価されるようです。(このあたりの、どのような推薦をして頂けたのか・どういう審査がされ・どういう評価を頂いたのか、などは実際にAWS HEROに選出された自分にも聞かされていないので細かいところはわかりません。)

AWS HEROとは」「AWS HEROになるには?」といったお話は、AWSのコミュニティプログラムマネージャーの沼口さんの資料をご覧いただくとかなりクリアにわかるのではないかなと思います。

speakerdeck.com

qiita.com


また四半期のAWS HERO選出者発表と紹介は、AWS公式ブログで発表されます。

aws.amazon.com

そして、各HEROのプロフィールページも作成していただけます。これだけでもうすごいですよね(語彙力)。

aws.amazon.com


ちなみにAWS HEROになると様々な特典があります。詳細は以下の(先ほど載せた沼口さんの)スライドがわかりやすいです。


念願のヒーロー選出!

さて、ここまで「AWS HEROとは何か?」というお話をしましたが、ここからは個人的なお話・思いを書きます。


AWSコミュニティとの馴れ初め

まず、今回2024年3月に念願のAWS HEROに選出されたわけですが、遡ること1年前。2023年3月にAWS Community Buildersに選出されました。

その時は正直まだあまりコミュニティや表彰制度というものもわかってなく、「AWS HEROという制度もあるんだなあ。なんかすごい人がなるんだなあ。」という印象しかありませんでした。


そもそも自分は、Community Builders選出までAWS界隈のオンライン勉強会には参加したことはあるけれど、オフラインのAWS界隈のイベントには参加もしたことがありませんでした。(以前はDB界隈のイベントに参加しまくっていてDB界隈ではオフライン参加はしていましたが、誰かと交流したり懇親会に参加したりしたことはありませんでした。)


AWS界隈で初めて登壇をしたのも2022年11月のAWS Dev Day 2022(オンライン開催)で、JAWS-UGのイベントで初めて登壇したのは2023年1月の(今ではたくさんお世話になっている)JAWS-UG CDK支部でのオンライン登壇でした。初めてのオフライン勉強会参加+オフライン登壇2023年5月のStartup Communityのイベントだったと思います(初のオフライン勉強会参加が初オフライン登壇でした)。イベント後の飲み会形式での懇親会に初めて参加したのは、2023年5月のCDK Conference Japanだったかな。

とにかくそれまではオンラインの勉強会に参加するだけだったので、そもそもあまりコミュニティというものに馴染みがありませんでした。


実は技術ブログ(本ブログ「365歩のテック」)は2021年8月からヒソヒソと書いていましたが誰かと交流があるわけではなく、Twitter2022年5月に始めたばかりで、2023年5月に入って初めて「オフライン」のイベントに参加したり登壇するまではほとんど新参者みたいな感じだったと思います。


AWS HEROへの憧れ

上記の通り、2023年に入ってオフラインのイベント登壇・懇親会に参加するようになって、(人見知りなのであまり多くの方とお話しができたわけではありませんが)、色々な方とお話していると「AWS HEROの誰々さんが〜」みたいなお話をよく耳にしました。

その時は失礼ながらヒーローになられた方のどなたも存じ上げていなくて、それからたまたまTwitterに流れてくるHERO(っぽい人)のツイートを見て「あ、この人が噂のヒーローか〜」などの認知をするようになった気がします。


それから、そもそもヒーローとはなんぞやを色々と調べたりTwitterに流れてくる情報を見るうちに、その方々がなされてきた内容・経歴を拝見する中で「なんかヒーローの人たちすごいぞ・・・?」と思い、ようやくHEROの存在がクリアになってきて、次第には憧れになっていました。


しかしそれからというものの、HEROに憧れは持つようになりましたが、最初は「なれるはずないよな」と思い、なるのは諦めていました(というより目指してすらいなかった)。


とにかく色々やった

登壇活動

そんな感じでHEROになることを志してすらいなかった2023年前期。その頃かちょっと前から、HERO制度とは関係なく、単にAWSコミュニティでの登壇やブログなどの情報発信、他の方との交流がどんどん楽しくなっていた時期で、とにかく登壇応募をしたりしていました。

それこそ2023年5月の初オフライン登壇の月なんて1ヶ月に3,4本登壇し、その後も毎月のように登壇していました。


さらに前年に続き、AWS Dev Day 2023にも採択が決まり、2022年はオンラインだったのがその年はオフラインの大規模会場で登壇できました。しかもCfP(Call for Proposal)では193の応募のうち投票数1位だったのは非常に嬉しかったです。

speakerdeck.com


日本語+英語ブログ執筆

もともとやっていた技術ブログは日本語で書いていたのですが、2023年の時点では50記事以上は書いていました。

そんな時、ふと「確かCommunity Builders組織配下で英語ブログを執筆・公開できるという特典があったな」と思い、英語ブログに挑戦しようと思ってやってみたりもしました。

その結果、半年ちょっとで17記事ほど英語ブログを書いていました。(中身は日本語で書いていた記事を英訳して少し情報を加えたり引いたり変えたりしたものでしたが、英語自体あまり得意でないので良い経験になりました。)

dev.to


AWS CDKコントリビュート(+自作ツールOSS

そして、自分がAWS HEROに選出された一番の軸になったであろうOSS活動。

今まで自作のAWSツールをいくつかOSSで出していたのですが、AWSへの貢献というよりあくまで「個人OSS」でした。(嬉しいことに周りの方で使ってくれている人が段々増えて、さらには海外にまで広がって反響もあったのは嬉しかったですね。)

※以下はGolang製の自作AWSツール(CLI)ですが、他にもAWS CDKのConstructライブラリも開発し、OSSで公開していました(後述)。

github.com

github.com

github.com


しかし、いわゆる「OSSコントリビュート」というものは今までしたことがなく、「いつかしてみたい」と思いながら中々手が出せない状況でした。

ただそんな中重い腰を上げ、2023年6月、元々好きで興味のあったAWS CDKへのコントリビュートを初めてしました。


それからどんどんCDKにのめり込み、いつの間にかTrusted Reviewerというものに選定していただきもしました。そして気がついたら、日本で一番多いコントリビュート数を出していて、Top Contributorにも選定されました。

(CDKコントリビュート活動のことを書き出すとかなり話が広がってしまうのであらかた省略します・・・)


ある時、ふと・・・

そしてある時、ふと振り返ってみると、「あれ、俺、結構頑張っているのでは?」と自覚?錯覚?してしまったのです。

それと同時に、「これ、AWS HERO狙ってみてもいいんじゃないか・・・?」という思いが芽生えました。(具体的にいつ頃から思い始めたのかは曖昧ですが・・・)


それから、HEROになられた方がやってきたことや、HEROプログラムの詳細や評価カテゴリなどをネットで調べたりして、「もっとこうすれば良いんじゃないか?」などと自分の活動の方針を改めたりなどもしてみました。

また、「どうせ思うなら言ってもいいか。そっちの方がやってやろう・引き返せないなって気持ちになるしな。」と思い、HEROになりたい・憧れの思いをTwitterでツイートしたりもしました。するとありがたいことに反響をいただいたり、応援してくださったり、お声をかけてくださる方がいらっしゃったりと、AWSコミュニティの温かさを感じました。

※お名前は伏せますが、とても嬉しかったです。本当にありがとうございました。


AWS HERO選出

そして、2024年3月。ついにAWS HEROに選出いただきました。(この前後にももう少し色々あるのですがここら辺のお話はお書きできないので省略します。)


振り返ってみると、2021,2022年も細々とやってはいたけど、ほぼ2023年からコミュニティ活動をし始めたようなものなので歴は浅いのですが、結構頑張れたんじゃないかなと思います。

支えていただいた方々には感謝でいっぱいです。


またせっかく選出いただいたので、これからは今まで以上に色々なことに挑戦したりAWSに貢献しつつ、かといって今までやってきたことや気持ち自体は変えず・忘れずにやっていきたいなと思います。


そして何より、継続するには「楽しく」ないと続けられないし、続けられたとしても辛くなってしまうんじゃないかなと思います。

そのためには、コミュニティ活動を楽しくやる、という気持ちを第一に持ちながら、楽しんでやっていこうと思います。

ここまで頑張ったとは言ったけれど、まあ無理はせず気ままにやっていこうかな〜。


AWS HEROになりたい方・「ああなりたい」という思いがある方へ

前述の通り、自分はコミュニティ歴が浅いにもかかわらず、AWS HEROになることができました。

AWS HEROになりたい人もいるかもしれません。また何かしらの目標像があるけれど、「今あまり胸を張れるほど活動できていないな」「コミュニティの周りの人みんなつよつよで絶対追いつかないな」って思ったりしている人もいるかもしれません。


しかし、自分はここまで来れました。誰にでも可能性はあります。

AWS HEROにしろ、「ああなりたい」という思いや目標像がある方にしろ、まずは一歩踏み出していきましょう。

そしたら、意外とどうにかなるものだったりします。あとはやるだけなんです。(かと言って頑張りすぎず、楽しんでやるのが大事!


(※AWS HEROに関しては少なくとも年単位の活動実績が必要にはなってくると思うのですぐになれるものではないかもしれませんが、決して無理ではありません!)


自分がAWS HERO選出までにやってきたこと一覧

これはおまけです。自分のための備忘録、かつ、もし今後AWS HEROを目指される方の何かの参考になるかなと思い、載せておきます。


※ただし、AWS HEROのハードルは年々上がっているそうで、過去のHERO達と比較して唯一無二かどうかが1つのポイントになるそうです。そのため、仮に自分と同じことをしたとしても恐らくHEROにはなれないのではないかと思われます。その点はご承知おきください。


登壇

2022年に1本、2023年に10本。

(うち、AWS主催カンファレンスが2本:AWS Dev Day 2022, 2023)。


ブログ

  • 日本語ブログ: 72記事(AWS以外の記事は除外)
    • 本ブログ
  • 英語ブログ: 17記事


自作ツールOSS・自作CDK ConstructライブラリOSS


CDKコントリビュート

  • 提出PR数: 72前後?(選出時)(うろ覚え)
  • レビュー数: 不明
  • 提出issue数: 不明


最後に

長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。

そして、応援してくださった方々、改めて感謝の気持ちを申し上げます。