cls3 で S3 Vectors を簡単に削除しよう!

S3 Vectors の Vector Bucket を簡単に削除できる機能を、S3 削除ツール『cls3』に追加しました。

cls3 vector

目次

目次


Amazon S3 Vectors

S3 Vectors

2025 年 7 月、Amazon S3 Vectorsという新サービスの発表がありました。(2025 年 7 月現在、まだプレビュー版です。)

aws.amazon.com


詳細は以下のリファレンスをご覧ください。

docs.aws.amazon.com


S3 バケットの種類

S3 Vectors を通して、ベクトルバケットというバケットが新たに S3 に追加されました。

これにより、現在 S3 には以下の種類のバケットがあります。

  • General Buckets
  • Directory Buckets
    • S3 Express One Zone
  • Table Buckets
    • S3 Tables
  • Vector Buckets
    • S3 Vectors
    • 2025 年 7 月現在、まだプレビュー版です


S3 Vectors の構成要素

S3 Vectors におけるベクトルバケットの構成要素は以下になります。

  • ベクトルバケット
    • 複数のインデックスを格納
  • インデックス
    • ベクトルデータを格納


ベクトルバケットを削除するには、まずすべてのインデックスを削除する必要があります。

今回、cls3 ではこれを簡単に、1 コマンドでできるようにしました。


cls3

cls3 とは?

私が OSS として開発している、S3 削除のための便利な CLI ツールになります。

go-to-k.hatenablog.com


GitHub は以下になります。(スターいただけたら嬉しいです!)

github.com


今までの機能

詳細は先ほど載せたブログや GitHub を参照してください。

具体的には以下のことができます。

  • バケットを削除することも、空にすることもできる
  • 対話モードで複数のバケットを検索でき、指定できる
  • 複数のバケット並行で一括削除できる
  • リージョン横断で、複数バケットを一括で削除できる
  • バージョニングがオンバケットも削除できる
  • 古いバージョンのオブジェクトだけを削除できる
  • S3 Express One Zone のための Directory Buckets の削除もできる
  • S3 Tables の Table Buckets の削除もできる
  • 特定のキープレフィックスのオブジェクトだけを削除できる
  • GitHub Actions 用の機能も提供している
  • 大量削除などの際のスロットリングエラー時には内部で自動的にリトライをしてくれる


インストール

様々なインストール方法を提供しています。

※インストール方法の詳細は以下のリンクから

github.com


S3 Vectors の Vector Bucket 削除機能

Vector Buckets Mode

S3 Vectors の Vector Bucket を削除する機能を、cls の v0.27.0 に取り入れました。


cls3 では、CLI のオプション(-b)でバケット名を直接指定することも、対話モード(-i)により対話で検索しながらバケットを指定することもできます。


今回のリリースでは Vector Buckets Mode というモード(オプション)を導入し、以下の様に簡単に S3 Vectors の Vector Bucket を削除することができるようになりました。(対話モードを例に)

cls3 vector


「-V (大文字) | --vectorBucketsMode」オプションを指定して、Vector Bucket の中身を削除、つまり該当 Vector Bucket全インデックスを削除します。

「-f | --forceMode」を合わせて指定すると、全インデックスに加えてVector Bucket ごと削除することができます。

「-k | --keyPrefix」を合わせて指定すると、特定のプレフィックスのインデックスだけを削除することができます。


注意点

まだ S3 Vectors はプレビュー版であり、今後 API などの仕様が変わる可能性があります。

そのため、もしかしたら一時的に Vector Buckets Mode が使えなくなる可能性もあります。その際は cls3 の Vector Buckets Mode も今後の S3 Vectors の仕様変更に合わせて、アップデートしていく予定ですので、ご了承ください。


また、現在プレビュー版ということもあり API 側の動作も不安定なことがあるため、cls3 の内部処理である程度の並列上限数を設けております。今後、この辺りのチューニングはしていきたいと思います。


まとめ

S3 Vectors の Vector Bucket を簡単に削除する機能を cls3 に導入しました。

これを機に、ぜひ S3 Vectors だけでなく、通常の S3 バケットの削除にもこのツールを使用してもらえると嬉しいです。きっと役に立つと思います。